美術展「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想」

渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催されている美術展「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想」に行ってきました。
ダ・ヴィンチ自身、弟子、ダ・ヴィンチの影響を受けた画家達の作品を集めた展覧会です。
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印象に残ったものをピックアップしてみます。

  • ほつれ髪の女

今回の展覧会のポスターやチケットに使われている作品です。レオナルド・ダ・ヴィンチ作(パルマ国立美術館蔵)で、日本初公開だそうです。25cm四方くらいのサイズで、鮮やかな色彩で描かれている訳でもないので、うっかり通り過ぎてしまいそうになるようなあまり目立たない絵です。ですが、目を伏せた女性の表情が憂いを帯びつつも穏やかで繊細で美しく、見入ってしまいました。

  • 衣紋の習作

ダ・ヴィンチの作品です。布のひだを描く訓練で描かれたもの。すごい描写力です。

  • 岩窟の聖母

この展覧会に来るまで知らなかったのですが、「岩窟の聖母」は同じタイトルでほとんど同じ構図の絵が全部で3枚あるそうです(絵の代金でもめた結果らしいですが・・・)。ひとつはルーブル美術館、もう1つはロンドンのナショナル・ギャラリーに展示されているそうですが、今回Bunkamuraに来ているのは個人所有のものなので、滅多にお目にかかれない作品とのことです。

ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」に影響を受けて、後世の画家が模倣した「モナ・リザ」が並べて展示されています(ダ・ヴィンチ作の本物は展示されていません)。顔の輪郭・表情や全体的な色味、バランスを見比べると、やはりダ・ヴィンチの「モナ・リザ」が一番いいなぁ、と思いました。(単に見慣れているから、というだけではないはず!)
それと、ダ・ヴィンチの未完成作品ではないかという説のある「アイルワースのモナ・リザ」という絵も展示されています。構図は「モナ・リザ」とほぼ同じですが、描かれている女性の顔が「モナ・リザ」よりも若いです。

  • レダと白鳥

ギリシャ神話(神ゼウスが白鳥に化けて、スパルタ王の妻レダを誘惑したというエピソード)をモチーフにしたもので、様々な画家の作品が展示されています。どれも官能的でした。ダ・ヴィンチが描いたものは、現存していないそうです。


実は、今回の展覧会、ダ・ヴィンチの作品がほとんどなのかと勘違いしていたので、実際にはダ・ヴィンチ自身の作品は数点のみで若干拍子抜けしてしました。ですが、日本初公開だという「ほつれ髪の女」という作品を観ることができたのは本当に良かったです。


おまけの話:
この展示会の特設ショップにて「ほつれ髪の女」のレプリカが販売されていました。額縁と装丁の異なる2種類があって、どちらもお値段は額縁込みで29800円。えぇ~、レプリカなのに高い!!と思ってしまったのですが、販売員のお姉さん曰く、精度の高さに対してこの値段なので、これでも値段をおさえているとのことでした(確かに、別の作品のレプリカは10万円とかの値札がついていました。サイズはずっと大きかったけれど)。
販売員の方のお話を聞いていて、へぇ~と思ったのが、作品が日本に来ると精度の高いレプリカを作ることができる、ということでした。実物と見比べてレプリカを修正することができるので、精度が上がるそうです。
もうちょっと安ければ、買って自宅に飾ってもいいなぁ、と思いました。。。