「セザンヌ-パリとプロヴァンス展」と「エルミタージュ美術館展」

六本木の国立新美術館で開催されている2つの美術展、「セザンヌ-パリとプロヴァンス展」と「エルミタージュ美術館展」を観に行ってきました。全く趣の異なる2つの美術展ですが、どちらも面白かったです。
(観に行ったのは2週間ほど前なのですが、記事をアップするのがすっかり遅くなってしまいました・・・)
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セザンヌ展の方は、画家セザンヌの作品だけを集めた美術展。セザンヌはこれまで故郷のエクス=アン=プロヴァンヌにこもって制作活動を行っていたと見なされてきましたが、実際にはパリ、プロヴァンスというフランス南北2つの場所を行き来して制作していたそうで、その点に注目して振り返る個展です。初期から晩年の作品まで集められ、風景、身体、肖像、静物というジャンルに分けて展示されています。
一方のエルミタージュ展は、ロシアのサンクトペテルブルグにあるエルミタージュ美術館の所蔵作品の中から16~20世紀の作品を集めたという美術展。16世紀→20世紀の順で展示されています。なんでも、今回出品されている作品のほどんどが、エルミタージュ美術館で常設展示されているものだそうです。


それでは、以下に個別の感想などを。

展示の一番の見どころである、パリとプロヴァンスの対比については、正直なところよくわかりませんでした・・・。(もちろん、それぞれの作品がどちらの地に由来するものなのかはわかるように展示されています)
でも、セザンヌの絵を1箇所にこれだけの枚数を集めたのはすごいな、と思いました。私としては、1人の画家の絵が初期から晩年へ至るまでにどのように変わっていくかを見られたのは良かったです。上手く説明できませんが、初期の作品と晩年の作品は、やっぱり違うなぁ、と思いました。
印象に残った絵のタイトルをいくつか挙げると「坂道」、「池のほとり」、「りんごとオレンジ」、「壷、カップとりんごのある静物」など。
絵以外で面白いなと思ったのは、絵に描かれている壷や瓶が現存していて、それも展示されていたことです。また、セザンヌ最後のパレット、なんてモノも展示されていました。それと、セザンヌのアトリエの一部を再現したコーナーもあります。

新旧様々な画家の作品が展示され、また作品のサイズ自体も大きいものが多く、個人的にはこちらの方が見ごたえがありました。作品の題材や技法が時を経るにつれてどんどん変わっていくのも面白いです。例えば題材でいうと、16世紀の作品は宗教画が多いですが、17世紀になると風景画、肖像画、静物画が出てきて・・・という感じです。
印象に残った絵をいくつか挙げると、「わがまま坊や」(ジャン=バティスト・グルーズ)、「パレルモ港の入口、月夜」(クロード=ジョゼフ・ヴェルネ)、「ヴィルヌーヴ=ラ=ガレンヌ風景」(アルフレッド・シスレー)など。
ちなみに、エルミタージュ展の方にも、セザンヌの絵が1枚展示されています。


1箇所で2つの美術展が観られるっていうのは、移動が少なくてすむので良いですね。両方を一度に見ると、観覧料がそれぞれ100円引きになるので、合計200円ほどお得です。
それと平日に行ってこれたので、あまり混んでいなくて見やすかったのですが、、、セザンヌ展の方は6月11日までなので、そろそろ平日でも混むかもしれません。観に行く場合はお早めに。エルミタージュ展の方は7月16日までです。



追伸:
国立新美術館に行ったのは今回が初めてでした。広くてキレイです。行きは地下鉄の乃木坂駅直結の入口から入ったのでよくわからなかったのですが、帰りに外から美術館の建物を眺めたら、ガラス張りで波打った形の独創的な建物だったんですね。夜に外から眺めたら、照明でキレイなんだろうな。